子どもたちがつくっているのは、作品だけではないと思っています。

選んだ色や、迷いながら引いた線。
言葉にしようと戸惑っている沈黙。

そのひとつひとつが、思考の跡です。

デジタル環境が当たり前になった今、
早く、正確、効率よくが重視される場面が増えました。

しかし便利さと引き換えに一長一短で、失うものも確実にあると思います。

ときにはその代償の方が大きいのではないかと感じます。

消せない線を前に、立ち止まる時間や、
想像していなかったような混ざってにごった色や、にじみをどう受け止め、工夫するための過程は、子どもにさまざまな問いを残します。

考えながら、やり直す。
思い通りにいかないから、頭と手を動かして工夫する。

atelierOCCOでは上達することだけを目的に活動していません。

描くことやつくることを通して、自分の感じたことを見つめたり、それを言葉にしてみる。

他者と違うことを受け入れる。

そんなプロセスを大切にしています。

それは、感性の教育であり、
同時に思考のトレーニングでもあると私は考えています。

私は母親として、
子どもたちを育てる中で何度も何度も迷ってきました。(現在進行中・・・)

だからこそ、
結果だけではなく過程を信じられる場所があっても良いのではないかと思うのです。

正解のない世界で、自分にしかないかたちで自分の言葉を探す。

迷いやうまくいかないことがあるからこそ、
自分だけの答えにたどり着けるのだと。

その時間が、
これからの時代を生きる土台になるんじゃないかなと感じています。

子どもが描いたり、つくる横で大人も少し迷ってみる。
そんな時間が、いちばん豊かな学びかもしれません。